20代前半で日本を離れ、欧州粋内、欧州からアジア、アジアから欧州、アジア粋内、と私のキャリアにおいて様々な場面での貿易やビジネスを経験してきましたが、中でも「日本」の絡む案件は他国間同士のビジネスと比較し、難易度の高い傾向にあります。

世界でも有数の経済大国である日成長した文化や製品は、皮肉なことにその巨大な内需に迎合することが目的となってしまいガラパゴス化し、折角優れたスペックを有していても海外に受け入れられない傾向にあります。逆も然りで、制度や慣習の違いによって、海外の優れた制度や製品が日本に受け入れられるには長い時間がかかり、結果として欧州企業は日本への進出を諦めることが少なくありません。決して、どちらが優れている、劣っているではなく、日本がその文化的・地理的条件によって他の商圏から隔絶されていく、そういう想いがするのです。

かつて日本は大陸の文化や技術をバランスよく取り入れ、自国の技術として昇華・展開させる術を持っていました。こんにちの日本を取り巻く変化の激しい環境下にあって、欧米のよき製品を取り入れ、九州の伝統や技術を、他県に先んじて国外に広める使命を担っていければ起業家冥利に尽きません。